歯周病の治療は、歯科医師・歯科衛生士による診断・検査を経て開始されます。内容は「歯周基本治療」「歯周外科治療」「口腔機能回復治療」「メインテナンス※」に分けられ、ステップごとに再度の検査(再評価)を挟んで治療効果を確認します。
歯周病の原因は、歯に付着した歯石(細菌群)であり、これ除去しなければ歯周病の進行を食い止めることが出来ません。歯周治療では原因となるプラークや歯石を取り除く「歯周基本治療」から行われます。患者様ご自身が行う「セルフケア(ブラッシング)」と、歯科で行う専門的な「プロフェッショナルケア」の両軸で進めます。
ご理解を頂きたいのは、【歯科医院のケアは重要だがそれだけでは歯周病の根本的な問題は解決しない】と言うことです。
口腔内細菌は常にお口の中に存在し、これをなくすことは不可能です。
つまりどれだけ歯科医院で口腔内をきれいにしても、お食事を取れば徐々に汚れはたまっていくのです。
つまり歯科医院でしか除去できない歯石を中心とした感染物の除去を定期的に行いつつ、日ごろのご自身のブラッシングも同じぐらい大切にして頂く必要があります。 このどちらが欠けてしまっても歯周病の予防や改善は難しくなります。
「歯周基本治療」は、軽度の歯肉炎の段階でも、中度、あるいは重度に進行している場合にも共通する治療です。歯肉炎や軽い歯周病であればプラークや歯石を取り除くプロフェッショナルケアを主体とした歯周基本治療だけでも治ることもあります。一方、歯周基本治療だけでは取り除くことができない歯肉の奥にたまった汚れなどには、「歯周外科治療」が検討されます。
治療後、再検査で改善が確認できればメインテナンスに移行します。改善が認められない場合は再治療というように、治るまで治療と検査を繰り返します。
※メインテナンス:むし歯や歯周病などを再発させないようにし、落ち着いている歯周病を悪化させないよう安定させ、口腔内の健康な状態を維持していくための定期的な清掃。